ブラック企業を減らすには?働き方の歴史から考えてみる

私が働き方の問題に関心をもったのは就職活動からサラリーマンを通して、現実に多くの働き方に問題があることがわかったからである。私の同期でも正社員という事で長時間労働を強制させられ体調悪化や、精神に異常をきたすなどブラック企業による長時間労働の問題に直面している。

そこで、長時間労働の規制について働き方の問題を考えていきたい。

ブラック企業とは?

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義を定めてないが、一般的な特徴として

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す

② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い

③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

 

というものをブラック企業の定義として考えておきたい。

歴史から考える働き方の問題

19世紀の工場法

19世紀イギリスの工場法が女性や年少者の労働時間を規制したのに始まり、その後各国に広まっていき、日本では1911年の工場法が女子と15歳未満の年少者について、深夜業を禁止するとともに就業時間を1日12時間に制限しました。(経営者側の反対で施行は1916年、施行後15年間は1日14時間で、深夜業も可)。

規制の理由は、長時間労働が疲労や結核の原因となっていたためで、安全衛生問題だった。

ILO第1号条約

1919年のILO第1号条約は成人男子も含め1日8時間.1週間48時間という上限を定めましたが、日本では戦時体制下の1939年に工場就業時間制限令によって、16歳以下の男子にも1日12時間という規制が設けられる。

労働基準法

戦後1947年に制定された労働基準法は、一気にILO基準の1日8時間、1週間48時間労働を規定しましたが、「8時間制を画一的に強制することを避け、賃金計算等に関し8時間の原則を維持しつつも、労働者が自覚して求めない限りなお時間外労働を認める」こととした。具体的には過半数組合又は過半数代表との書面協定(三六協定)さえ締結すれば、事実上青天井で時間外労働が認められることとされた。

この結果、日本の労働時間は工場法時代にあった物理的時間規制としての性格が希薄化し、そこから残業代の割増がつく賃金計算上の基準時間に過ぎないという風に見られるようになってくる。

このような労働時間も下では、時間外労働は例外的なものではなく、あるが当然とみなされます。そうすると三六協定の意味合いも変わってきます。戦後の労使関係をめぐる諸事案は、労働時間規制の本来の意義を没却するような事案が多いのです。時間外労働が当たり前という状況下では(法の趣旨からは例外的なはずの)時間外労働に上限がないことについて政府の研究会で若干の議論もありましたが、日本型雇システムの適合を理由に一蹴されている。長時間労働は雇用保障の代償として甘受すべきという考え方が一般的だったのである。

ホワイトカラーエグゼンプション

2000年代半ばからはみなし制度ではなく労働時間規制を適用除外するホワイトカラーエグゼンプションが焦点となり、2006年には法制化に向けた審議会の報告まで至りましたが、「残業代ゼロ法案」というマスコミや政治家の批判により国会提出が断念されそのままになっている。

近年、労災補償や安全衛生政策からの影響もあり、長時間労働が政策課題として認識されるようになったのである。大企業では1ヶ月あたり60時間を越える時間外労働の割増率を25%から50%に引き上げるという、改正にとどまっている。

ブラック企業の長時間労働を減らすには?

ブラック企業の長時間労働をどうやったら減らすができるかをシュミュレーションをしてみたいと考えた。

労働問題が発生!

働き方問題として、正規労働者から、長時間労働による過労死や、サービス残業、残業代はある程度の支給がなされるが、残業の制限時間外の長時間労働による残業代未払い、働きすぎによる体調不良、休息不足による事故などの危険の可能性など、社会問題が浮上する。

残業禁止令の議論!

これらのことにより、政治家が「残業禁止令」を法案として出し、残業時間に対しての賃金支払いはなくし、残業時間に対してすべて年内に消化しなければならない代休制度を国で導入したとする。(極端すぎた政策)

マスコミのニュースになる

これに対して、新聞やマスコミで取り上げられ、論争を巻き起こし、残業代で多くの賃金を稼いでいる労働者層などから反発による異議や抵抗を受ける。

60時間以上の残業禁止令を発動!

これを受けて、政治家や国会での妥協策の審議を行う。そこで、今度は労働時間外の労働が60時間を越えるのを完全に禁止する法案を出す。残業代の支払いは月20時間を、超えた時間に対してまでで、20時間から60時間までに対しては時間毎の代休制度でまかなうようにするのである。週休二日と想定すると一日の労働時間は11時間平均となり、一日の半分近くを労働に費やすため、心身ともに様々な悪影響をうけるため60時間と設定した。

残業したサラリーマンに罰則

この法律を守らない場合は企業の責任者に対しての厳しい刑事責任を負わされる。(サービス残業の違法性と同じく、6箇月以下の懲役または30万円以下の罰金など )今回は、労働者側にも責任が及ぶものとしてしまう。この政策で決定され、支持する層も一定数いたため、賛否両論ありながらも法律が実際に運用される。なお、現実は企業の責任者への罰則があまり機能していない模様。

逮捕者を出す取締の強化

これにより、20時間までの残業代しか支払われなくなり、60時間を超えての禁止される残業による取締りも甘いことなどが指摘される。そこで、政治を通して、労働基準監督官と弁護士による取締り強化をすることになり、見せしめに告発された企業と労働者側から逮捕者が出る。更に権限強化のため、警察機関でも労働問題専門の部署を立ち上げるなど行う。そうして、経営者や責任者は規定を守っていく。

非正規労働者の賃上げ

以前より、正規労働者は扱いづらくなってしまうと企業は考える。よって企業では、正規社員の枠を更に減らして、派遣労働者や非正規労働者を増やす結果となる。そこで非正規労働者であっても最低賃金の引き上げや、ボーナス支給などを行い、非正規労働だけでも生活できる水準に賃金を上げるなどすることも必要である。

現状では

現在はほとんどの政党において、例えば、民進党では残業時間の上限規制、出社までの11時間間隔を義務化、自民党では長時間労働是正を公約に掲げているのであるが、労働組合や経営者との兼ね合いもあり、難しい現状ではあるが早急な国による対策、または労働組合による団体交渉、個人での声を挙げていかねばならないだろう。

現状においては、社会的な残業は悪という風潮を受けて大手企業でも、自主的に残業を減らしている。なお、残業を減らせばいいだけという上層部の考えで、労働者は隠れながらコソコソと残業している。労働時間を効率的に使えというお達しのもと、現場の仕事量は同じで給料だけ減らされる問題がでてきている。

まとめ

今回は実際にシュミュレーションを行ったが、理想的な働き方のシステムを作っても行政で実行された時によきせぬ事態を招くこともあるし、予期せぬ事態があった後に素早く次の働き方の改革を実行しなければ世の中を混乱される恐れもあると考えた。

やっぱり、正社員の働き方の制度に限界がきたようだし、フリーランスの働き方がこれからの時代に即していると思える。

読んだ本を紹介

大内伸哉 (2011)『君の働き方に未来はあるのか?労働法の問題とこれからの雇用社会』中央公論社

濱口桂一郎(2011)『日本の雇用と労働法』日本経済新聞社

濱口桂一郎(2013)『若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす』 中公新書ラクレ